リースバックとリバースモゲージの違い
- 2020.04.09
- その他
インターネットなどで「任意売却」を調べていくと良く出てくるのが「リースバック」、比較されるように出てくる「リバースモゲージ」というものもあります。自宅を活用した生活資金の確保という意味では同じですが、呼び方も似ていることから同じものだと勘違いをされている方も多くいます。両者を簡単に説明すると、「リースバック」は売却、「リバースモゲージ」は融資といった違いが。今回はこの辺を詳しく説明していきます。
リースバックとは
リースバックとは、自宅を投資家や不動産会社の第三者に売却し、その買主から賃貸物件として借りることで売却後もそのままご自宅に住み続けられるという仕組みのことです。
「売却金額>住宅ローン残債」のアンダーローンの場合は、まとまった資金を手元に残し住み続けることができます。また「売却金額<住宅ローン残債」のオーバーローンの場合でも、任意売却によって条件を満たせば、住み続けることができるのです。
その条件は、
❶債権者(保証会社・サービサー)の同意が必要
同意が得られなければリースバックができません。また、売却価格の決定権は債権者(保証会社・サービサー)にあり、売却は認められても債権者の指定した売却価格にリースバックでの評価額が届かない場合は成立しません。
❷買い手を見つける
買い手からすると投資物件となりますので、都心部またはその周辺にある物件か?流通性の高い物件か?投資物件として魅力的な物件かを総合的に判断しています。
❸毎月の家賃を安定的に支払える収入がある
これから賃貸物件に住み続けますので年金収入でも構いませんが、家賃を支払える収入があることが大前提となります。そして、毎月の賃料支払いが滞ると退去させられます。
任意売却でリースバックを利用するとなれば、これらの条件を満たす必要があります。
リースバックのメリット・デメリット
メリット)
*売却後も慣れ親しんだ家に住み続けられる
*周囲に売却したことを知られない
*固定資産税・管理費・修繕積立金などの費用負担がなくなる
*住宅ローンの返済から解放される
*まとまった資金が確保できる(アンダーローンの場合)
*いずれ買い戻すこともできる
デメリット)
*住宅ローンの返済はなくなるが、家賃の負担が発生する
*買い手からすると投資物件となるので、売却金額が相場よりも低い
*住宅ローンの残債が多いと、資金が手元に残らない
このような、メリットとデメリットがあります。リースバックは、引越しはしたくない人、早くまとまった資金が欲しい人、相続問題を回避したい人、固定資産税やランニングコストの支払いが負担に感じている人、住宅ローン返済が困難な人などには向いている方法かもしれません。
リバースモゲージとは
リバースモゲージとは、住んでいる自宅を担保に金融機関からお金を借りて、契約者が亡くなった後に借入金を一括返済する仕組みのことです。自宅に住み続けられるというところはリースバックと同じですが、調達資金が売却代金か融資金かは明確に違います。
金融機関は、担保となる自宅に根抵当権を設定し、「融資極度額」を決めます。そして極度額を上限に資金を貸し付けます。受け取り方法は基本的には次の3つです。
❶年金方式
一定の年数にわたって毎月定額を借りていく方式です。生活資金として使いたい場合などに便利です。
❷一括方式
契約時にまとめて借り入れる方式です。借入金を住まいの増改築資金にあてたりする場合に有効です。
❸極度額方式
今すぐに現金の必要はないけれど、必要なときには限度額まで借りられるという方式です。極度額方式の契約を事前にしておけば、面倒な手続きもなく必要資金をスムーズに借り入れることができます。病気やケガ、突然の災害や事故など、万一の事態に備えておきたい場合などに有効です。
それぞれのライフスタイルに合わせて選択可能です。
リバースモゲージのメリット・デメリット
メリット)
*自宅に住み続けたまま、資金確保できる
*借入金の返済がない(利息のみ返済のところもあり)
*比較的高齢でも利用可能
*極度額まで何度でも借り入れ可能
*年金のように毎月一定額を受け取れる
デメリット)
*対象エリアが都心部に限定される
*対象物件が一戸建てのみの金融機関が多い
*融資極度額を算出する資産評価額が低い
*調達資金の使用用途に制限あり(事業用にはダメなど)
*年齢制限が55歳以上とする金融機関が多い
*長生きの場合、融資枠を使い果たしてしまうリスクがある
*相続人の保証人が必要
*定期的な担保評価見直しで、評価額が融資極度額を割り込んでしまうと一括返済を求められる場合もあり
このような、メリットとデメリットがあります。リバースモゲージは、自宅は残したまま資金確保したい人、リフォームして住み続けたい人、毎月一定額の生活費を確保したい人などには向いている方法かと思います。
まとめ
上記の通り、それぞれ売却と融資により資金調達する方法です。皆さんの置かれている状況にもよりますが、リバースモゲージの利用には、エリアや年齢などの制約があります。それぞれの違いやメリット・デメリットを認識したうえで選択することが大切になります。
また、「老後資金が不足している」「住宅ローン返済が厳しい」という状況では、これ以外にも、住宅ローンのリスケや借り換え、任意売却などの解決方法があります。
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