住宅ローン滞納前・後の対処法
- 2020.04.02
- 住宅ローン
住宅ローンが支払えないとどうなるか
マイホーム購入時の住宅ローンを利用する際に、自分たちに合った条件でローンの組立てをします。例えば、どこの金融機関が良いか、借入総額、返済期間、金利を固定にするか変動にするか、ボーナス併用するかなどいろいろ検討されると思います。
毎月のローン返済で自分たちの家計の首を絞めないように、より良い条件の住宅ローンを選んだとしても「きちんと返済していけるだろうか」などと心配になることもあると思います。住宅ローンは一般的に30~35年の長期の組立てをしますので、安定した収入を長期間確保しておかないといけません。万が一、住宅ローンを滞納してしまったら、その前にできることはないか、色々と不安がよぎってしまします。
住宅ローンの滞納後のタイムスケジュール
≪滞納1ヶ月~2ヶ月目≫
金融機関から支払い催促の電話連絡と『支払い請求書』が届き、住宅ローン滞納分の遅延損害金が請求されます。
≪2ヶ月~3ヶ月目≫
この時点で金融機関からあなたに『催告書』が届きます。その中には期限の利益の喪失、一括返済(一括弁済)、保証会社、代位弁済、個人信用情報の登録など、より専門的な用語が記されており、金融機関の強硬な姿勢がうかがい知れるようになります。
具体的には、催告書に記載している期日までに滞納をしている住宅ローンの元金、金利、遅延損害金を支払わないと『債務者は住宅ローンを分割して支払う権利を失います。』という内容が書かれています。いわば、債権者からの最後通告です。
≪3ヶ月~6ヶ月目≫
この時点で、金融機関からあなたに『期限の利益喪失通知』が届きます。金融機関とあなたとの間で取り交わした金銭消費貸借契約に基づいて「住宅ローンを毎月分割して支払って良い」という契約内容を「期限の利益」といいます。住宅ローンの滞納を続けてしまうと、この契約を破ることとなり、分割で支払う権利を失ってしまいます。これ以後住宅ローンは一括返済しなければならなくなります。
続いて、『代位弁済通知』が届きます。これは「保証会社が、債務者(あなた)に代わって住宅ローンの残債を銀行に支払いました。」というお知らせです。はがきで通知されることもあれば、特別送達などで送られることもあります。しかし、保証会社が代わりに支払ってくれたらもうおしまい…という訳ではありません。引き続き、保証会社から請求がきます。住宅ローンの残額、滞納時の遅延損害金なども含めて一括返済がされない場合、そのまま競売の手続きが進められます。
≪6ヶ月~7ヶ月経過後≫
『競売開始決定通知』が届きます。債権者の申し立てにより、裁判所は競売手続きを開始し「担保不動産を差し押さえましたよ」というお知らせが届きます。不動産の差押え情報は登記簿謄本にも記載され、第三者が誰でも知りえることになります。
≪競売開始決定通知から6ヶ月~10ヶ月経過後≫
『期間入札の通知』が届きます。この通知には、入札期間、開札機関等の具体的な日時が記載されています。入札期間とは、その不動産を買いたいという人が裁判所に対して、買いたい金額で購入申込みができる期間です。通常、この入札期間は1~2週間になっています。通知が届いたら、間もなく入札がスタートします。
住宅ローンの返済が滞って、あなたが金融機関のアクションに対して何もしなければ、このようなタイムスケジュールで最終的には競売となってしまいます。
それでは、滞納前・後にやるべきことを見てみましょう。
住宅ローンの滞納前にやるべきこと
住宅ローンの滞納する前には、何かしらの兆候はあるはずです。滞納してしまう前にできることを早めに実践しましょう。
金融機関にリスケの相談
様々な要因(病気やケガ、親の介護、ボーナスカット、転職、会社の倒産など)でローン返済が困難な場合、正当な理由と認められれば、返済期間の延長、ボーナス払いの取りやめ、極端な場合は元金返済ゼロで利息のみを支払ったり毎月の返済計画の見直しができるようにリスケの相談ができます。
返済滞納1~2ヶ月くらいに金融機関からの連絡や支払い請求、督促状といったアプローチがあるうちであればまだ可能性はあります。しかし『催告書』が届くまで何もせず放置をしてしまっていたあなたに大きな原因があるわけですから相談にのってくれない可能性もあります。
住宅ローンの借換えの相談
借入れ当初よりも金利相場が低下している場合は、他の銀行で借換えをするのも一つの手段です。その時に、金利も当然ですが、返済期間を延ばしたり返済計画の見直しをしてみましょう。
*夫婦どちらかが働いている場合は、支払いに余裕ができるまでは共働きする。
*不要な生命保険などを解約する。
*車を売る(税金や保険料を減らすことができ、利益が出れば資金にもなる)。
*光熱費や通信費など固定費を節約する。
これらのように、固定支出を減らし、家計を切り詰めることで住宅ローン滞納から回避できることもありますので、ぜひ検討してみて下さい。
住宅ローンの滞納後にやるべきこと
万が一、滞納してしまったら早い段階で動くことが重要です。懲りずに何もせず放置をしていれば競売に一直線です。早い段階で行動することでそのまま自宅に住み続けることができたり、競売を回避できる方法があります。
個人再生
裁判所を通じて債務問題を解決していく方法です。住宅ローン以外の債務の圧縮をするという手続きです。
ここで、個人再生は❶将来的に継続して収入があり具体的な返済計画がある人。❷借金の総額が5,000万円以下(住宅ローンは含まず)という適用条件があります。
裁判所に返済再生計画を提出し認められた場合、債務は総額の1/5または100万円のいずれか多い方まで減額されます。
また自宅・マイホームは債務者(あなた)の生活の基盤となり、経済的再生を図れるようにするため「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」という制度を設け手放さずに利用できるようになります。住宅ローンは継続して支払い、減額された債務は原則3年で完済させなければいけません。計画に沿った返済が出来ない場合はすぐに給料の差押えがされます。
任意売却と競売の違い
任意売却は、住宅ローンの返済を滞納し支払いきれない人が、競売を避けるために債権者(金融機関)の同意を得て自宅を市場で売ることを目指すものです。
競売は債権者(保証会社)が民事執行法に基づき、債権回収のために裁判所に対して申立てをし、裁判所はその不動産を強制的に売却する手続きです。債権者に認められた法的な債権回収手段です。あなたは為す術がなく置き去りにされてしまいます。
また、市場価格の5~6割程度で売却され、売却金額は住宅ローンの残債返済に充てられますので安価で売却すれば残債が多く残ってしまいます。そして競売の代金が落札者から納付されると、所有権は落札者の物となりますので、落札者は不動産引き渡し命令の申立てを裁判所に行い、あなたに引越し費用が無いなどの事情があっても立ち退かない場合は強制執行を申立てます。強制執行日までにあなた自身で立ち退くのが通常ですが、それでも立ち退かない場合は強制執行が行われてしまします。
このように、競売は金銭的にも精神的にも大きなダメージが残ってしまいますので、競売になる前になんとか任意売却で清算することが本人様の精神面や経済面を支えることに繋がると思います。
まとめ
住宅ローンを組んでそのままずっと何事もなく、ローンの心配なく過ごしていきたいと思う気持ちは誰でも同じですが、その30~35年という長期間は誰も予測のできない事態が起こってしまします。万が一、自分の身に起きてしまったらと不安になりますよね。
上記で、いくつか選択肢があるというのがお分かりいただけたかと思います。一番良いのは通常通り返済していくこと、そして滞納の危険がありそうだなとなったらまず金融機関に相談することです。そして次の段階の、万が一住宅ローンを滞納してしまったとしても、早い段階で専門業者に相談していれば、まだ選択肢はあります。一番怖いのは何もせず放置することです。
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相談は無料になりますので、何か住宅ローンの事でお困りや不安な事がありましたら、いつでもお気軽にご相談・ご連絡致して下さい。
※くれぐれも悩みは絶対にご自身で抱えず、「相談」には早めの判断を。