競売の取下げ方法
- 2020.05.22
- 競売
住宅ローン返済を滞納したまま放置しておくと、銀行や金融機関から返済の督促がされます。それでも返済をせず(できず)放置し続けた場合、滞納3~6ヶ月で債権者(保証会社・金融機関)は競売の申立てをおこないます。そして、裁判所から「競売開始決定通知」が届きます。何もしなければ粛々と競売の手続きが進んでしまいますが、強制的に売却され、精神的な負担の多い競売を取下げてもらうためにはどうすればよいかを書いていきます。
競売の取下げ方法
競売の取下げは、競売申立てをした債権者が「取下書」を提出することでできます。債権者にそれをお願いするとなると、
*住宅ローンの一括返済
*債権者の同意を得て任意売却
この2つの方法しかありません。
住宅ローンの一括返済は、そもそも一括返済ができるのであれば競売になっていませんので現実的ではないでしょう。そのため、ほとんどの人が任意売却を選択します。多くの債権者(保証会社・金融機関)も、競売より任意売却の方が債権回収額が多く見込めるメリットがあるので同意してもらえる傾向にあります。
競売の取下げ期限
競売申立ての取り下げをおこなえる期限は、競売開札前日までです。任意売却を選択すると、この日までに成立させなければなりません。ちなみに、競売の落札者が決まってからでも、落札者が代金を納付するまでは、債権者と落札者の同意が得られれば取下げは可能です。ただし、それまで手間をかけてきた落札者が同意してもらえるとは考えにくいので現実的ではないですが、厳密にいえば可能です。
タイムスケジュールでいうと、競売開始決定通知が届いて1ヶ月以内に、裁判所の執行官により自宅の「現況調査」が行われます。室内に入って状況確認し写真を撮られ、部屋の隅々までチェックをします。そして、その2~3ヶ月後に、入札期間や開札期日の日程や、売却基準価額などが記載された「期間入札の通知」が届きます。そして、その1ヶ月後には競売をおこないますという「公告」がされ、裁判所は競売参加者を募るために物件の所有者(あなた)や債権者の氏名、所在地などを公開します。不動産の評価や差押え、諸権利関係や使用状況、建物外観や屋内の写真なども広く一般公開します。この情報は不動産競売情報サイトにも掲載されるので不特定多数の人に見られてしまいます。そして、その1ヶ月以内に入札が始まり、落札者が決定されます。
競売開始決定通知が届いておおよそ5~6ヶ月ほどです。この期間内に任意売却を完了させる必要があります。そして、「公告」までに完了させることができれば、競売を多くの人に知られることはありません。
競売の取下げタイミング
一度、競売を申立てられると債権者に取下げをしてもらう事は簡単ではありません。債権者が競売の取下げに合意してくれて、任意売却を認めてくれたとしても、任意売却が成立し決済するまでは、取下げ書類を裁判所に提出してくれません。任意売却を成立させることは当然ですが、任意売却での金額が競売よりもメリットがある必要があります。
例えば、任意売却で購入希望者が現れても、その売却額が競売での金額より低い場合などは、そのまま競売を進められてしまうこともあります。また、開札前日までに任意売却の話が決まっても、さらに良い条件で買い手が現れるまで応じてもらえない場合などもあります。一度競売を申し立てられると、競売手続きは継続したまま、並行して任意売却をおこなうことが多いです。そして、任意売却が成立し決済をし、約束された金額が債権者に支払えたことが確認されて初めて取下げをしてくれます。このように、取下げをおこなうかどうかは債権者次第といえます。
まとめ
任意売却は、よく、住宅ローン返済の困難な人が競売を回避するために自宅を一般の市場で売却する方法です。と言われています。そこで、「競売を回避」というと、競売の申立てをされてしまうともう任意売却はできないと思っている人もいらっしゃるかもしれませんが、見て頂いたように可能です。実際に競売の取下げを成功させるためには、債権者への説得など多くの調整が必要となります。私たちが競売回避に向けて全力でサポートいたします。
私たちは、住宅ローン返済の相談窓口として、住宅ローン返済でのお悩み、不動産調査・査定、任意売却、債務整理のご相談を得意としています。必要とあれば提携している司法書士・弁護士と連携を取ってご提案も可能です。あなたの状況に応じた最適な解決方法をご提案いたします。不安なこと、お悩み、疑問などどんなことでも、お気軽にご相談ください。