リスケジュールのメリット・デメリット
- 2020.06.27
- 住宅ローン
住宅ローンの返済がしんどくなってきたときにまず考えることは、借入先に返済条件の見直しを相談することだと思います。いわゆるリスケジュール(リスケ)です。リスケジュールを選択せずに住宅ローンを滞納してしまうと、任意売却や競売でマイホームを手放すことになってしまいます。
そうならないために、金融機関に相談をすることがとても大切ですが、リスケを行うにしてもメリットとデメリットをしっかり知ってから活用するようにしましょう。
リスケジュール(リスケ)とは
返済期間の延長
ひとつが、返済期間の延長です。これは明確なルールというのはありません。完済年齢75歳、返済期間35年を超えない範囲で期間の延長を認めてもらえることが一般的です。
一方、住宅金融支援機構のフラット35の場合、完済年齢80歳で当初の契約年数に関わらず最長15年の延長が可能です。
一時的な返済猶予
もうひとつが、一時的な返済猶予です。これは決められた一定期間は元金返済を行わず、金利のみの返済をしていく方法です。猶予期間については民間銀行の場合、6ヶ月~1年が一般的です。
一方、住宅金融支援機構のフラット35の場合、①離職や病気等の事情により返済が困難となっている方②年収が年間総返済額の4倍以下の方・月収が世帯人員×64,000円以下の方・返済負担率が一定の率を超える方で、収入減少割合が20%以上の方のいずれかに該当する方③返済方法の変更により、今後の返済を継続できる方、という条件がありますが、条件を満たせば、最長15年の返済期間延長、最長3年間の元金据置き、据置き期間中の金利引き下げ交渉が可能です。
リスケのメリット
返済期間の延長や一時的な返済猶予を認めてもらえると、マイホームを手放すことなく一時的に資金繰りが楽になるということです。決められた一定期間の間は住宅ローンの返済金額が減少しますが、その間に家計を立て直しリスケ後の通常返済に備える必要はあります。
リスケのデメリット
優遇金利が無くなり通常金利になる
給与口座の開設、契約者の属性、ネットバンキングの利用契約などの条件で利用されている優遇金利制度ですが、住宅ローンの延滞や、返済スケジュールの変更(リスケ)が行われると、優遇金利制度の対象外になります。金利優遇が無くなると返済額が大きく変わります。
返済期間が延びることで総返済額が増える
一時的な返済猶予で利息だけの返済とすることにより毎月の返済額を一時的に減額する場合、リスケ期間終了後、元本部分の返済が再開するので、毎月の返済額が増額します。また、借入期間の延長により毎月の返済額を減額する場合は、月々の返済額は減額されますが、総返済額は増加することになります。
新規借入れ・借り換えが難しくなる
当初の返済条件で返済ができず、リスケを利用したということで、金融機関内での債務者の評価が下がってしまいますの、絶対にできなくなるというわけではありませんが、新規借入れ、借り換えへのハードルは高くなります。
まとめ
住宅ローンの返済に困ったときはまず金融機関に相談するべきですが、リスケジュールは、一時的に資金繰りが楽になる一方でこのようなデメリットがあることを知っておきましょう。
リスケは住宅ローンの免責措置ではありません。病気やケガ、会社の倒産、転職など一時的に世帯収入が落ちる場合の救済措置ですので、返済の猶予期間中に資金繰りを立て直す必要があります。万が一、相談する金融機関に収入の回復が見込めないと判断された場合はリスケに応じて貰えないこともありますので、そこも頭に入れて金融機関に相談するようにしましょう。
どうしたら良いかご自身で判断がつかない場合は、私たち「住宅ローン返済110番」へご相談ください。あなたの置かれた状況に合わせて最適なご提案を致します。