住宅ローンの繰り上げ返済について
- 2020.06.29
- 住宅ローン
毎月の固定支出軽減の方法のひとつとして住宅ローンの「繰り上げ返済」があります。住宅ローンの返済中に金銭面で余裕が出てきたら「繰り上げ返済をして、毎月の負担を減らしたい」と考える方も多いと思います。
ただし「繰り上げ返済」には2パターンあり、メリットとデメリットもありますので、しっかり理解されたうえで判断してください。
繰り上げ返済とは
繰り上げ返済とは、住宅ローンの返済中にまとまった余剰資金を使って、約定返済(毎月決まった金額を決まった日に返済すること)以外で住宅ローンを返済することです。
返済期間短縮型
繰り上げ返済するお金を元本の返済に充てると、元本を一気に圧縮できるので、毎月の返済額を変えずにすると、返済期間が当初より短くなる。よって利息軽減効果が高いので完済を早めたい人にはこちらが良いです。
返済額軽減型
こちらも繰り上げ返済するお金を元本の返済に充てると、元本を圧縮できます。返済期間を変えずにすると、毎月の返済額を減らすことができます。返済期間短縮型と比べて利息軽減効果は低いですが、毎月の返済額を減らしたい人はこちらが良いです。
繰り上げ返済のメリット・デメリット
メリット
住宅ローンの金額はとても大きな金額です。ほとんどの人が30~35年の長期間をかけて返済計画を組みます。金額が大きければ利息も当然高くなります。繰り上げ返済するメリットは、この利息をカットできるのです。
デメリット
無理な繰り上げ返済で家計が厳しくなる
当然ですが、繰り上げ返済をすると住宅ローンの残債は減りますが、手元の資金が無くなります。手持ち資金がない中で無理に繰り上げ返済をしてしまうと、急な出費に対応できなくなり住宅ローンよりも高い金利の金策に走ることにもなりかねません。あくまでも余剰資金で繰り上げ返済をするようにしましょう。
住宅ローン控除が使えなくなる可能性がある
住宅ローン控除の利用要件は、借入期間が10年以上あることです。繰り上げ返済によって残期間が10年を切ることになれば控除が使えなくなりますので注意が必要です。
返済金利が低い場合は繰り上げ返済より貯蓄に
今の住宅ローンは低金利のものが多いです。そもそも返済総額に占める利息分は最初から少ないので、余剰資金があるのであれば貯蓄や投資に回して、タイミングを見計らって繰り上げ返済を利用するほうが良いでしょう。
繰り上げ返済の注意点
では繰り上げ返済をするにはどのタイミングがベストと言えるのでしょう。
住宅ローン控除の活用
上でも書きましたが、住宅ローン控除は借入れから10・13年間、年末において借入残高の1%の税金が控除される制度です。借入れ残高が大きいほど控除額も大きくなります。借入れから10・13年間は住宅ローン控除を利用した方が良い場合があります。
固定期間途中の繰り上げ返済
組んでいる住宅ローンが固定金利の場合、固定期間中に繰り上げ返済をすると違約金の支払いを求められることがあります。
このように繰り上げ返済をすることで損をすることもありますので、繰り上げ返済をする際は必ず借入れをしている金融機関に確認をしてからにしましょう。
まとめ
住宅ローンは大きな借金になりますので、早く完済を目指す気持ちは誰にでもあると思います。そのための繰り上げ返済ですが、時と場合によっては逆効果になることがあります。あくまでも、ギリギリにならない余剰資金がある状況、住宅ローン控除が明けた後など、金融機関に相談しタイミングを間違えないように利用するようにしましょう。
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