借金問題は4つの債務整理で解決
- 2020.07.02
- 債務整理
債務整理には任意整理・特定調停・個人再生・自己破産の4種類あります。それぞれメリットとデメリットがあり、依頼者の状況により向いているケースとそうでないケースがあります。
状況に応じた債務整理を行うと借金問題を効果的に解決することができますので、専門家に相談して最善の選択をするようにしましょう。
債務整理とは
借金やクレジットカードでの買い物等の返済について、返済を失くす、返済総額の減額、支払いを待ってもらう、月々の返済額の減額、支払い回数を増やすなどを実現するための手続き全般をいいます。
債務の返済で日常生活に支障が生じている状態を改善するためのものです。そして、債務整理の対象は、お金の支払いであればなんでも含まれます。
メリット
- 借金問題の解決ができる
- 借金の取立てや支払い督促のSTOP
弁護士・司法書士が受任し裁判所に申立てをし、書面で債権者に通知されると取立てがストップします。これはすぐに実感できるメリットといえます。直接の取立てが停止することにより、債務整理の準備を進めることができ、平穏な生活を取り戻すことができます。
デメリット
- ブラックリストに載ること
個人信用情報機関に事故歴を登録されます。このブラック情報が消えるまでの一定期間(5~10年)は新規借入れや分割払いので購入ができなくなります。債務整理をきっかけに生活を立て直し再スタートが切れるようにしましょう。
任意整理
任意整理は、借入総額が比較的少額の場合、また多額であっても利息制限法による引き直し計算で借金の減額や過払金の回収が見込める場合に有効です。
弁護士・司法書士に依頼し、債権者との話し合いで、返済金額や返済方法を決め直す方法です。
期間と費用
期間は、およそ2~4ヶ月程ですが、過払い金の回収が含まれる場合は半年~1年かかる場合もあります。
費用に関しては、債権者1社につき2~4万円程度で、これに減額または過払金回収の報酬が加算される場合があります。
メリット
- 当事者間の話合いによるため、柔軟な返済計画を組むことが可能(銀行関係の債務は手をつけずにサラ金関係のみ整理するといった処理が可能)
- 引き直し計算により、借金の額の減額や過払金の回収が可能
- 法律専門家からの受任通知により、取立てが止まる
デメリット
- 債権者(貸主)の合意が必要
- 当事者間の任意の話し合いに応じない貸金業者に対する強制力がない
- 利息制限法で引き直し計算した後に残った債務の返済が必要
- 合意前に債権者が給与の差し押さえなどの強制執行をしても止められない
- 事故情報に登録される
特定調停
借金をしている貸金業者が少ない場合や、引き直し計算で借金の減額が見込める場合に有効です。
債務者が債務の返済方法について裁判所に申立て、調停委員会の調停により債権者との間に返済金額や返済方法について合意を成立させ、それに従った返済で債務を消滅させる手続きです。債権者が協力せず、合意が成立しない場合でも、裁判所が一定範囲で調停条項を決定することがあります。
期間と費用
期間は、1~2ヶ月程です。
費用は、債権者1社につき1,000円程度です。
メリット
- 裁判所に選任された調停委員が仲介するので公平な結論が期待できる
- 返済計画に強制力があり、給与の差押さえ等も止められる
- 引き直し計算により、借金の額の減額が可能
- 自分でできるので、弁護士や司法書士に頼まなければ、費用を債権者1社あたり千円程度に抑えられる
- 裁判所からの通知により取立てが止まる
デメリット
- 借金をしている全ての債権者の合意を得る必要がある。合意に達しなかった貸金業者の借金は整理されない
- 債務の減額に限度がある
- 調停調書には確定判決と同じ効果があり、返済を怠ると直ちに給与等を差し押さえられる
- 目的が債務整理のため、過払い金の回収まではやらない
- 事故情報に登録される
個人再生
借金をしている貸金業者の数や額が多い場合(但し、債務の合計額が5000万円以下であることが必要)や、給与等の定期的な収入を得ている場合、住宅ローンがあり住宅を手放したくない場合、借金の原因が浪費にあるなど、自己破産しても免責がとれるか難しい場合に有効です。
債務者に定期収入がある場合には、一定の条件のもとで債務の一部を支払って、残りの債務を裁判所の決定で免除してもらう手続きができます。また、住宅ローン特別条項により、住宅を失わずに借金を整理することも可能になります。(住宅ローン以外の抵当権が設定されている場合は、特別条項を利用できないことがある)
期間と費用
期間は、半年程度です。
費用は、30~60万円程度です。
メリット
- 話合いによる解決が難しい場合でも、債務整理可能
- 持ち家を残せる
- 債務を大幅に減額(借金が 100 万円または借金の5分の1または100万円のいずれか多い方)できる
- 手続き中は強制執行が禁止される
- すべての債権者の合意を得る必要はない
- 法律専門家からの受任通知により取立てが止まる
デメリット
- 定期的な収入が見込まれる者など利用できる者に条件がある
- 手続きが相対的に複雑なため時間も費用もかかる
- 減額後の債務について原則3年間で返済する
- 官報に名前が掲載される
- 事故情報に登録される
自己破産
返済の見込みがない場合に有効です。
債務額が過大で、もはや返済不可能となっている場合に自ら破産の申立てをする手続きです。破産申立てと同時に免責の申立てをし、破産手続きに続き免責決定がされると、法律上、支払義務が免除されることになります。これらは決して借金の踏み倒しをさせるためのものではなく、債務者の立ち直りを図るための救済措置です。
期間と費用
期間は、2~6ヶ月程度です。
費用は、25~55万円程度ですが、別途予納金を納める必要があります。同時廃止には1万円程度、管財事件には20~30万円程度です。
メリット
- 免責が認められれば資産を超える債務が全額免除される
- 選挙権など公民権の停止はなく戸籍に記載されることもない
- 破産手続きを開始決定後に得た収入は、原則として自由に使える
- 一部の反対している貸金業者がいる場合でも借金の整理ができる
- 手続きが開始されると強制執行が禁止される
- 法律専門家からの受任通知により取立てが止まる
デメリット
- 財産の清算が必要で、持ち家や車など評価額が20万円を超えるものについては原則として換価して債権者に配当する必要がある
- 財産の清算が必要な場合、金銭の使途が不明瞭な場合などに裁判所から管財人を付されることもある(この場合には、管財人費用として予納金20~30万円を納めなければならない)
- 一連の手続きを終えるまで生命保険会社の外交員や警備会社の警備員などの職には就けない
- 浪費やギャンブルによる債務は免除されない場合がある
- 官報に名前が掲載される
- 事故情報に登録される
まとめ
ここでは、それぞれの特徴を見てきましたが、借金問題に直面している方は、専門家に相談することであなたにとって最適な方法を考えてくれ、そのまま依頼をすれば貸金業者からの督促もストップします。ひとりで悩まず早い段階で相談することが大事です。
私たち「住宅ローン返済110番」は住宅ローン返済が困難になった時の相談窓口として、住宅ローンでのお悩み、不動産の調査や査定、任意売却、債務整理のご相談を得意としております。今回のような住宅ローン以外の借金問題でも、司法書士・弁護士との連携を取り最適なアドバイス・解決策をご提案しています。お気軽にご相談ください。明るく笑顔でご対応いたします。