退職後の住宅ローン
- 2020.07.03
- 住宅ローン
昔とくらべると、晩婚化の影響で、子どもを持つ時期も、家を購入する年齢も高くなっています。国土交通省住宅局の住宅市場動向調査(令和2年3月)によれば、住宅を初めて購入した人の年齢は約40歳です。40歳でマイホーム購入をしたとして、35年のローンを組めば、完済年齢は75歳になります。60歳定年となれば、定年退職後15年間も住宅ローンの返済が続くことになります。
現在は公的年金の受給開始が65歳に引き上げられたことで、定年後も再雇用で働けるようになりましたが、現役時代と比べると満足できるものではありません。そして65歳以降は年金の受給できるようになりますが、その金額は現役時代の半分程度の金額になります。
このように世帯収入が先細るなかで、住宅ローンがまだ支払い続けないといけないっことを考えると少し不安になりますよね。
心配な住宅ローン例
退職後の返済比率が50%以上
住宅ローンを組む際に額面年収に対する返済比率として、無理のない基準としては25%以下と言われています。しかし、定年退職後は世帯収入が先細りますので住宅ローンを組んだ当初は25%内で収まっていたものでも、一般的に高くなります。年金を含めた収入の50%以上が住宅ローンの返済になってしまうと心配です。注意しましょう。
ボーナス併用払い
最近では利用する方も少ないようですが、住宅ローンでボーナス併用払いを利用されている方は注意です。当然ですが老後にボーナスはありません。毎月の返済でも収入が先細っていると苦しいはずなのに、さらにボーナス払い月になると生活が苦しくなることは目に見えて分かりますよね。
退職時のローン残高
金額は人それぞれですが、退職金を大幅に超えてしまう残高がある場合は注意です。退職金で完済ができないにしても、老後生活で無理なく返済できる額まで減らせることが出来るように組み立てしましょう。
完済年齢が80歳
金融機関の定める住宅ローンの完済年齢は75~80歳です。住宅ローンの住宅ローンを35年間で組むとして逆算すると、45歳が限度です。今はこれに当てはまる方が多いのではないでしょうか。
45歳で住宅ローンを組んで60歳で定年退職の場合、現役時代15年、退職後20年と退職後の返済期間の方が長くなることになります。現役時代になるべく繰り上げ返済などで残高を減らす方法を考えないといけません。万が一、退職後に返済が厳しくなったら金融機関と返済条件の変更を相談できますが、期間に余裕がないと難しい相談になることも考えられます。
最優先は生活資金
このように、心配な住宅ローンの例を見てみると心配になった方もいらっしゃるかもしれません。そうならないように繰り上げ返済などで残高を減らしておくことが理想ですが、第一優先は生活資金の確保です。無駄な浪費は問題外ですが、最低限の生活費や子どもの教育資金は最優先です。
色々な考え方はあると思いますが、出来る限りの努力をすることは大前提ですが、万が一、住宅ローンが滞ってしまっても債務整理、任意売却などの手段があります。支払いが困難になってしまった場合、住宅ローンの支払いに関しては専門家に相談し、生活資金の確保を最優先に考えましょう。
住宅ローンの返済に困った時の対処法
住宅ローンの返済を続けていくことが難しくなった場合、金融機関の同意のもと自宅を売却する「任意売却」という方法があります。住宅ローンを組む際、金融機関は不動産に抵当権を設定し、債務者が返済できなくなった時に備えます。住宅ローンを全額返済し、こうした抵当権などが解除されない限り、原則、自宅を売却することはできません。
金融機関の同意のもと、債務を残したまま抵当権や差し押さえを解除し売却することができるのが、任意売却です。売却した代金を返済にあて、それでも債務が残った場合は、金融機関と相談の上、少額で返済していくことになります。
競売と比べると任意売却は、市場価格に近い価格で取り引きできるので、一般的には競売より高い値段で売却できます。金融機関側も、競売に比べて時間も早く、より多くの債権回収ができるメリットがあるため、ここ最近は住宅ローンの返済困難者に、任意売却を勧める金融機関も多いです。
また、金融機関の同意を貰えるハードルは高くなりますが、親族間売買で任意売却する方法もあり、自宅を子どもに残したい場合などは有効な方法です。どうしても長年住み慣れた家に住み続けたい場合は、任意売却で自宅を投資家に購入してもらい、その投資家に家賃を支払うリースバックで住み続ける方法もあります。
自宅を所有している間は固定資産税がかかり、マンションなどでは、管理費や共益費の負担が継続的に続くことになります。自宅を手放すことで債務の負担を軽くし、さらに家計の固定費削減も期待できるので、任意売却は、生活再建の面で大きなメリットがあります。
まとめ
初めての住宅購入する年齢が高齢化していることもあり、このような問題もこれから増えてくると思われます。定年後の収入の先細りを考えると、定年退職を迎えるまでになるべくローン残高を減らしていくことなど対策が必要になってきます。皆さん困難に陥らないように上記を参考にして気を付けましょう。
万が一、困難に陥ったとしても住宅ローンに関しては債務整理や、任意売却で競売を回避する方法が残っていますので、無駄な浪費は問題外ですが、生活資金を確保し最低限生活できるようにはしておきましょう。
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