任意売却のメリットとデメリット
- 2020.07.11
- 任意売却
住宅ローンの返済の支払いが滞ってしまった時の、競売からの回避手段として任意売却があります。
任意売却という言葉は聞いたことはあるけど詳しくは分からないという方も多いと思いますので、メリットとデメリットについて解説していきます。
任意売却のメリット
任意売却した方が競売よりも高値で売却できるなど、債務者の負担軽減ができる特徴がありますので、いくつか解説していきます。
そのまま住み続けられる可能性がある
現在住んでいるマイホームを、親子・親戚に買い取ってもらい、賃貸物件として家賃を支払いそのまま住み続けられるという「親子間・親族間売買」という方法があります。
また、第三者の投資家や不動産会社に買い取ってもらい、同じように賃貸物件として住み続ける「リースバック」という方法があります。
ただし、これらが成立するためには債権者の承諾が必要なのと、毎月の家賃が安定的に支払いるだけの収入があることが大前提です。また、投資家や不動産会社ならいざしらず、親子・親戚でも現金でポンと購入できるほど余裕のある身内の方はそうそういないと思いますので、融資をしてくれる金融機関を探してこなければいけません。
親子・親族間となると、一般的な金融機関は融資金を目的外に悪用される可能性を疑いますので、その場合は専門家に相談し一緒に金融機関と交渉しましょう。
引越し費用を確保できる可能性
競売では手元に資金を残すことができないのに対して、任意売却であれば債権者との交渉により、引越し費用などを確保できる可能性があります。
本来は、引越し費用は必ずもらえるというわけではありません。債権者や購入者にとって支払いの義務はなく、債権者の多くは任意売却をしようとしている人は金銭的に厳しいだろう、住宅ローンも支払えないほど困窮している人に引越し費用の捻出は厳しいだろうと承知しています。あくまでも善意で確保してくれるのです。
ただし、あくまでも相場は10~30万円ですので、引越しに伴う費用全額というわけではありませんので、住宅ローン滞納期間中に出来るだけ不足分を補えるようにしておきましょう。
ご近所に何事かと知られることなく売却
競売になると、裁判所のホームページや不動産競売情報サイトなどに掲載され不動産の評価や差押え、諸権利関係や使用状況、所有者や債権者の情報が広く一般公開されます。一方、任意売却の場合は、ほぼ一般の不動産売買と一緒の手順で進められ、個人情報が公開されることはありません。売却が決まり引越しの際も追い出されることもなく通常の引越しと同じです。また、リースバックなら引越しする必要がなく住み続けることが可能です。
持ち出しがない
本来であれば不動産を売却する際に支払わなければならない諸費用が、売却代金から控除されるので心配がありません。控除させる項目は、不動産仲介手数料、抵当権抹消費用、滞納管理費・修繕積立金、後順位抵当権者係る抵当権抹消応諾費用(ハンコ代)、差押債権者に係る差押解除応諾費用などです。
市場価格に近い金額で売却
競売の場合、契約不適合責任が免責なうえ、裁判所の執行官以外は物件の中に入ることができず、内覧ができず買い手のリスクが多い売買になるため落札価格はどうしても市場価格のおおよそ5~6割程度となってしまいます。
一方、任意売却では、契約不適合責任は免責になりますが、内覧とホームインスペクション(住宅診断)で補うことができます。市場価格同等というわけにはいきませんが、近い価格での売却が可能となります。
売却後の残債は分割返済
売却後の残債については、債権者との話し合いが行われ、債務者の収入状況や生活状況を十分考慮のうえ現実的な返済方法となります。少額(5,000円~数万円)での分割返済が可能となり、新生活をスタートさせるのに負担が少なくできます。
任意売却のデメリット
これまではメリットを解説してきましたが、メリットがあれば当然デメリットもあります。しっかり理解のうえ進めるようにしましょう。
債権者の同意が必要
任意売却は債務者側が一方的に進めることはできず、必ず債権者の同意が必要になります。売却しても残債よりも価格が低くなる可能性があれば断られることもありますし、任意売却を簡単に受け付けない債権者もいますので交渉しなければなりません。
信用情報機関に掲載される
任意売却が直接の原因でありませんが、そこに至るまでには住宅ローンの返済を滞納している期間が数ヶ月ありますので、信用情報機関に登録されて金融機関からの借入等がおよそ5~10年程度できなくなる可能性があります。
まとめ
任意売却は競売からの回避手段として、金銭的にも精神的にもメリットの大きな方法です。
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