住宅ローンを返済滞納したらどうなる?対処法や支援策
- 2020.09.28
- 住宅ローン
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、業績悪化による倒産した企業が全国で500件を超え、失業した、リストラにあった、収入減になったという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
特にこのコロナ禍では、やむを得ず住宅ローンを滞納してしまうことは誰にでも起こり得ることになっています。ただしそのような場面に陥った場合にどう対処をすれば良いのかを知っておく必要があります。
今回は、滞納期間ごとに起こること、対処法、コロナ関連の支援策について解説をしていきます。
住宅ローンを返済滞納すると起こること
住宅ローンを返済滞納して1~3ヶ月
住宅ローンの返済を滞納してしまうと、まず債権者(金融機関)から支払い請求の電話連絡と『支払い請求書』、放置していると『督促状』が届くようになります。住宅ローン滞納分の遅延損害金が請求されます。この段階ですぐ競売になることはありませんので、返済能力があり、ただのうっかりでしたら遅延損害金も含めてしっかり返済しましょう。
それでも返済できずにいると金融機関によっても時期は異なりますが、滞納して3ヶ月あたりで『催告書』が届くようになります。これには、催告書に記載している期日までに滞納をしている住宅ローンの元金、金利、遅延損害金を支払わないと「債務者は住宅ローンを分割して支払う権利を失います」また、「期日までに支払いがない場合は法的手段に移行します」という内容が書かれています。催告書は金融機関からの最後通告で強硬な姿勢がうかがい知れるような内容です。
まだ、返済が遅れていることへの注意や警告くらいの意味合いですが、このまま放置していると金融機関は競売の手続きを粛々と進めていきます。
住宅ローンを返済滞納して4~6ヶ月
金融機関から催告書が届いても放置してしまうと、次に『期限の利益喪失通知』が届きます。住宅ローンを組んだ時の契約では「住宅ローンを毎月分割して支払う」という内容で締結していますが、滞納して契約を破ることで、分割で支払う権利を失ってしまいます。この通知が届くと金融機関と相談する余地はありません。つまり、これ以後は住宅ローンの残債を一括返済でしか支払えなくなります。
当然、毎月の支払いができなかった人が住宅ローンの残債を一括返済は限りなく厳しいですから、期限の利益喪失通知に記載の期日に支払いができなければ、続いて『代位弁済通知』が届きます。これは「保証会社があなたに代わり住宅ローンの残債を銀行に支払いました」というお知らせです。ここで、保証会社が代わりに支払ってくれたからおしまいというワケではなく、債権者が金融機関から保証会社に移行したにすぎません。引き続き、保証会社から住宅ローンの残債、滞納時の遅延損害金の請求が来ることになります。
住宅ローンを返済滞納して7ヶ月以降
代位弁済通知が届いても放置し続けると『差押通知書』が届きます。これは債権者が裁判所に競売の申立てをしたということです。勝手に債務者が財産を売却しないように財産の拘束をします。
そして、『競売開始決定通知』が裁判所から届きます。いよいよ競売までの秒読み段階となります。裁判所の執行官が自宅にやってきて現況調査、近隣への聞き込みなどを行い、『期間入札の通知』『競売の公告』『入札・開札』と進み、およそ半年ほどで自宅から退去しなければならなくなります。
住宅ローンを返済滞納する前の対処法
上では返済滞納してしまったときの競売までの流れを書きましたが、まずは住宅ローンを滞納する前に対処することです。
まずは、借入先の銀行・金融機関への相談をすることです。住宅ローンの返済が困難になる原因というのは必ずあります。
- 会社の倒産やリストラで失業し収入がなくなってしまう
- 病気やケガ、親の介護などで就業ができなくなり収入が減ってしまう
- 離婚問題で夫婦協力して返済していたローンの返済ができなくなる
このように、人によって原因は様々だと思いますが必ずありますので、返済が困難になりそうと感じ始めた段階ですぐに相談をすることです。銀行・金融機関に相談することによって、返済期間の延長・一時的な返済猶予のリスケジュールの計画を立ててもらえる場合があります。
返済期間の延長は、金融機関にもよっても違いはありますが、設定する完済年齢75歳・返済期間35年を超えない範囲で返済期間を延長し月々の返済額を減らしていく方法です。
一時的な返済猶予は、一定期間(6ヶ月~1年)は元金の返済をせずに利息分のみを返済していく方法です。
銀行・金融機関と相談してリスケジュールで問題解決ができるのであれば、マイホームを手放すこともありませんから最優先の対処法として知っておきましょう。
ただし、これらのリスケジュールは確かに一時的には住宅ローンの返済負担が減りますがあくまでも一時的な救済措置に過ぎません。ですから経済的な状況を立て直せる見込みがない場合は、リスケジュール以外の対策を考える必要があります。またリスケジュールをすることで、総返済額が増えること、返済能力によってはリスケジュールが認められない可能性があることも知っておきましょう。
住宅ローンを返済滞納してしまったときの対処法
リスケジュールの相談をしても効果的な方法とならなかった場合、住宅ローン返済の見通しが立たない場合は、競売になる前に任意売却を検討した方が良いといえます。
競売になってしまうと、落札価格が安価で、世間に競売になった事情が知られてしまい、落札者が決定すれば強制退去させられてしまうというデメリットがあるので、金銭的にも精神的にもダメージが大きく残ってしまいます。任意売却は、住宅ローンの返済滞納をしたときに、競売を回避するために債権者(金融機関・保証会社)の同意を得てマイホームを一般市場で売却をしていくことです。
任意売却は、一般的な不動産取引と同様に住宅の売却ができるので、市場に近い金額で売却することができるので、売却代金は住宅ローンの残債返済に充てられるのですが、競売と比べて残債も少なくでき、その残債についても債権者と話し合いができ無理なく計画的に少額返済(5,000円~数万円)ができます。
また通常、不動産を売却する時に諸経費がかかりますが売却代金の中から、手数料、抵当権解除料、引越し代などを控除してもらえることも認められていますので、競売と比べて債務者にとって精神的・金銭的なメリットが大きいということが分かっていただけると思います。
ただし、任意売却は債権者との交渉など専門的な知識が必要となりますので、検討するときは専門家に任せることをお勧めします。
新型コロナウイルス感染拡大における支援策
新型コロナウイルス感染拡大を受けて、国や地方自治体も様々な支援策を打ち出しています。以前にも紹介していますが、内閣官房のホームページで実施中のものを確認ができます。受給資格があってまだ受けていない方は各窓口までお問い合わせください。
内閣官房HP「新型コロナウイルス感染症に伴う各種支援のご案内」
また、金融庁の支援策として銀行・金融機関に住宅ローン借入者からの返済に関する相談があれば、柔軟に対応するように要請をしています。それにより、条件変更などによって当面の返済額を減額するなどの救済策が適用され、返済を継続しやすくなります。
住宅金融支援機構の支援策として、住宅ローン返済に困難な方へ3つの返済変更メニューを用意しています。
返済特例
いくつかの条件を満たす必要はありますが、当てはまる方は返済期間の延長してもらい毎月の返済額を減らす変更内容です。完済時の年齢上限を80歳として返済期間の延長、最長15年の返済計画の変更、最長3年の元金据置きの相談ができます。
中ゆとり
一定期間、元金据え置きで金利分だけを支払っていく返済方法にしてもらい、返済額を軽減する変更内容です。
ボーナス返済の見直し
文字通り、ボーナス返済が負担になっている人に対してボーナス返済付きの変更、ボーナス返済分の返済額の内訳変更やボーナス返済の取り止めを条件変更する内容です。
これらの変更内容は各銀行でのリスケジュールと同様で、延長や据置き、取りやめをしてもらったものは返済免責になったわけではありませんので、その分の総返済額は増えます。あくまでも一時的な救済措置として経済的な回復見込みがある方は利用し、その間に家計の再建ができるようにしましょう。
また、「フラット35」の住宅金融支援機構に限らず、各金融機関は返済計画の見直し等の対策を実施しています。各金融機関でも実施内容が異なりますので詳しくは借入先の金融機関へお問い合わせしてください。
まとめ
住宅ローンは長期間の返済になるので、その間に何が起こるか分かりません。昨今も新型コロナウイルス感染拡大により、誰にでも失業・収入減につながるリスクはあります。皆さんのご家庭でも住宅ローン返済困難の問題が発生した時は今回のブログを参考にしていただいて、返済滞納する前の段階で借入先の金融機関へ相談しましょう。
万が一、滞納してしまった方は任意売却以外にも対処法は他にもありますので、是非出来るだけ早い段階で『住宅ローン返済110番』までお問い合わせください。
私たち『住宅ローン返済110番』は「相談実績800件以上」の住宅ローン返済相談に特化した専門家です。
住宅ローンでのトラブルに加え、不動産の調査や査定、任意売却、債務整理のご相談も得意としております。必要な時は司法書士・弁護士・税理士との連携も取りながら、お客様1人1人に最適なアドバイス・解決策をご提案しております。
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