住宅ローンの滞納は何回まで…?その後はどうなる?
- 2020.09.29
- 住宅ローン
マイホーム購入は30年以上の長期間のローンを組むことになります。その間に病気やケガ、親の介護、転職やリストラ、離婚などが原因で安定収入が確保できなくなってしまう不測の事態が起こることがあります。それらの影響で住宅ローンの返済が厳しくなってしまう可能性も高くなります。
住宅ローンを滞納してしまうと分かると、気が気ではありません。マイホームは債権者である銀行・金融機関の抵当権が設定されているので、すぐに差押さえられてしまうのでは、競売になってしまうのではと思っている方も多いのではないでしょうか。
今回は住宅ローンを何回滞納してしまうと差押えや競売になってしまうのか、また滞納が続くと何が起こるのかを解説したいと思います。
住宅ローン返済滞納から競売まで
まずはじめに滞納は、住宅ローンの返済を1回や2回滞納しただけでは競売になってしまうことはありません。本当は良くありませんが、うっかりミスで口座にお金が入ってなかった、振り込むのを忘れていたということもあるからです。あくまでもうっかりミスです。
しかし、金融機関によっても違いはありますが一般的に、このうっかりミスが許されるのは、2回までです。それ以降は様子が変わってきます。
住宅ローンの返済滞納をして、1回目、2回目は銀行・金融機関から「お支払いがされていませんので○○日までにお願いします」といった請求の電話連絡と簡易的な通知ですが『督促状』が自宅に届きます。うっかりミスでという事であればこの段階で解決しておきましょう。
万が一、うっかりミスではなく返済ができない状況に陥ってしまったという事であれば、今すぐ借入先の銀行・金融機関へ状況を説明し内容によっては返済期間の延長や一時的な返済猶予の相談に乗ってくれる場合があります。ここでなにもせず放置してしまうと取り返しのつかないことになってしまいます。
このまま放置してしまうと、金融機関によっても異なりますが返済滞納しておよそ3~6ヶ月くらいの段階で『催告書』が届きます。内容としては催告書に記載している期日までに遅延損害金も含めて滞納している分を支払わなければ「あなたは住宅ローンを分割して支払う権利を失います」「期日までに支払いができない場合は法的手段に移行します」と書かれています。要するに支払いがない場合は競売の手続きを進めていきますということです。
催告書は銀行・金融機関からの最後通告で、これまでの通知とは意味合いが全く違います。
本来はこれまでの段階で銀行・金融機関へ相談するべきですが、何もしないわけにはいけません。これまでの電話連絡や支払い請求書を無視してしまっているのでもしかすると応じてもらえないかもしれませんが、返済するという意思表示のためにもまずは相談しましょう。ただし、これまでの遅延損害金を含む滞納分というと金額も大きな額になっていると思いますので、この段階から任意売却や債務整理などの別の手段も考え始めましょう。そしてこの段階で、任意売却の意向を債権者に示せば、競売を待ってくれる可能性もあります。
そして、催告書が届いてもそのまま放置しておくと、住宅ローンの返済滞納5~6ヶ月くらいの段階で『期限の利益喪失通知』が届きます。住宅ローンを組んだ時の契約は「住宅ローンを毎月分割して支払って良い」という内容で締結していますが、これを「期限の利益」といいます。住宅ローンの返済滞納を続けてしてしまうとこの契約を破ることとなり、分割で支払う権利を失ってしまします。
この段階では銀行・金融機関に相談してもほぼ対応してもらえません。これ以降は分割ではなく、一括返済する以外の解決方法はありません。
続いて『代位弁済通知』が届きます。毎月の住宅ローン返済ができない人が一括返済することは限りなく厳しいですから債権者の銀行・金融機関が、保証会社に対して債務者であるあなたに代わって住宅ローンの残債を一括返済してくださいと請求します。これはそれが完了したという通知です。
保証会社が代わりに支払ってくれたから終わりではなく、債務は何も片付いていません。債権者が銀行・金融機関から保証会社に移行しただけに過ぎませんので、引き続き保証会社から住宅ローンの残債、遅延損害金も含めて一括返済を請求され、出来ない場合は競売の手続きが進められます。
およそ返済滞納して7ヶ月くらいに裁判所から『差押通知書』が届き、勝手に債務者が財産を売却できないように拘束します。続いて『競売開始決定通知』が届き粛々と手続きが進んでしまいます。
こうなってしまうと、競売と並行して任意売却が最後の手段といえます。
競売と任意売却の比較
競売をなぜ回避したいかですが、競売も任意売却もマイホームを落札された、売却した代金は住宅ローンの残債返済に充てられます。
競売の場合は市場価格の5~6割程度の価格で落札されるのに対して、任意売却の場合は市場価格に近い価格で売却が可能です。
また競売は、競売開始決定がされると裁判所の執行官がやってきて建物内外の写真撮影、近所への聞き込みなどが行われ競売物件として広く事情が一般公開されるのに対して、任意売却は通常の不動産取引と同様で、事情を知られず売却が可能です。また、不動産を売却する際は、仲介手数料、抵当権解除料、引越し費用などの諸経費がかかりますが売却代金から控除してもらえることが認められており手出しがないということも特徴です。
落札された、売却した後の住宅ローンの債務についてはともに残りますが、安価で落札された競売の方が多く残ります。その後の支払い方法については競売の場合は、一括返済が一般的ですが、多くの残債が残った場合は一括返済できませんので多くの場合は自己破産で清算するようになってしまいます。任意売却の場合は、残債の返済方法について債権者と話し合いができ、無理なく計画的に少額返済(5,000円~数万円)が可能です。
これらを見てみると、競売を回避した方が金銭的・精神的なメリットが多いということがお分かりいただけると思います。何もせず放置してしまうと競売から自己破産と最悪のルートを辿ってしまうことになってしまいますが、早い段階で判断と行動をするとことで回避することができますので、住宅ローンの返済が困難となった時は任意売却を検討しましょう。
まとめ
住宅ローンの返済滞納をしてから競売になるまでを解説しました。いずれにしても滞納は1・2回まではうっかりミスということで許してもらえる場合が多いです。
しかし、銀行・金融機関のアプローチに何もせず放置してしまうとそれ以降は取り返しのつかないことになってしまい後悔してしまいますので、今回の内容を参考にして早めの判断と行動をとるようにしましょう。
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